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兵站

迫撃砲は汎用性が高く戦闘の様々な局面で火力支援に使用される上、速射性に優れるため短時間に多数の砲弾を消費しがちである。したがって、大量の弾薬を供給するため輜重段列(補給部隊)の随伴が不可欠となる。
特に工業生産力が低く兵站が脆弱だった日本にとってこの問題は深刻であり、旧陸軍は第一線の歩兵大隊に対する曲射歩兵砲(十一年式曲射歩兵砲と九七式曲射歩兵砲)の全面的配備を躊躇し、直接照準による精密射撃が可能な従来型の歩兵砲の配備を優先したという経緯がある。

例えば十一年式曲射歩兵砲の場合、砲本体の重量は63kgだが弾薬定数112発の重量は運搬用具等を含めて364kgもあり、砲自体は兵員数名で携行できても弾薬の運搬には人員8名と馬匹2頭を要した。一会戦にどの程度の弾薬を準備するかは作戦によって異なるが、多いときでは1t以上もの弾薬を輸送せねばならず、十分な車輌を保有し得なかった輜重部隊の負担は相当なものであった。(全力射撃を行えば、定数112発全弾を打ち尽くすのに10分も要しない)
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このように、兵站への負担や弾薬コストが膨らみがちであるという迫撃砲のデメリットは看過できない。しかし、これは敵方も条件は同じであり、「能力特性」に記した長所がこれらの短所を上回るため、迫撃砲は現代でもますます多用される傾向にある。
なお、意外なことに第二次大戦の全期間を通じ上記の兵站を支えていたのは馬やロバ等の動物である。機械化部隊による電撃戦の印象が強いドイツ軍ですら輜重部隊の大半は軍馬に依存しており、この状態は終戦まで変わらなかった。第二次大戦中、軍隊から動物を駆逐して完全に車両へ転換できたのは当時世界のGDPの半分を占めていた米国のみであり、総力戦が如何に工業生産力に左右されるかが分かる。

近代戦は信じ難いほどの兵站支援を必要とし、D-DAYの後にヨーロッパ中を移動する米軍は異様な規模の管理部門を引き連れていた。終戦時、アメリカ軍の総勢は1,100万名だったが、戦闘部隊である90個師団に属していた者は200万名。そのうち敵と直接交戦する歩兵の数は更に少なく僅か70万名(全体の6.4%)である。全兵士の80%以上は前線の遥か後方で兵站任務に従事しており、砲火にさらされることもなく激しい戦闘とは無縁であった。

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2009年11月30日 00:17に投稿されたエントリーのページです。

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